低尿酸血症を知りたい方へ

低尿酸血症ってどんな病気

運動後急性腎障害と似た病気

まったく症状がない腎性低酸血症ですが、尿酸値が低いために起こる合併症はあります。それが、運動後急性腎障害と尿路結石症です。このうち、運動後急性腎障害には似た症状が出る病気があります。ここでは、運動後急性腎障害と似た病気についてご説明します。

運動後急性腎障害と横紋筋融解症

運動後急性腎障害になると、激しい運動をした数時間後から1日後に、強い腰や背中の痛み、吐き気、嘔吐、尿の量が減る症状が出ます。この症状に似ているのが横紋筋融解症です。横紋筋融解症は、手や足など体を動かす骨格筋が損傷して細胞が壊れ、筋肉を構成する物質が血液に溶け出る病気です。そして解けた物質が腎臓に届くと急性腎障害を起こします。

横紋筋融解症は、強い圧迫や過度な運動のほか、感染症や薬の影響、熱射病などによって起こります。横紋筋融解症の自覚症状として、手足の筋肉痛や脱力、尿の色が濃い茶色になる症状があります。

横紋筋融解症になると、筋肉から血液中に流れたCK(クレアチンキナーゼ)という酵素やミオグロビンというタンパクの一種の値が、通常時の10倍以上になります。しかし、運動後急性腎障害ではこれらの物質の値が上がったとしても僅かです。

腎性低尿酸血症の合併症で運動後急性腎障害になると、血液中の尿酸値が一時的に上昇して正常になります。そのため、運動後急性腎障害を起こしている際に血液検査をしても、腎性低尿酸血症であることに気づかれない恐れがあります。

運動後急性腎障害かどうかの確認

横紋筋融解症か運動後急性腎障害、どちらなのかという判断は、血液中のCKやミオグロビンなどの上昇の有無・程度と尿中のミオグロビンと尿酸値の推移が診断の助けになります。また、運動後急性腎障害の症状は腎臓結石の症状にも似ています。運動後急性腎障害は繰り返すことが多いため、過去にも似た症状を経験したことがあるかもしれません。症状が出る数時間前に何をしていたかを思い出してみましょう。腎性低尿酸血症の運動後急性腎障害は、短距離走や筋肉トレーニングなどの激しい無酸素運動に、脱水症状や非ステロイド性抗炎症薬()の服用が重なると起こりやすいと考えられています。

運動後急性腎障害の予後は良好で、1週間から1カ月で腎機能が回復し、日常生活に戻れます。透析が必要になる場合もありますが一時的なものです。

(※)抗炎症作用、鎮痛作用、解熱作用がある薬

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